明らかにびびった反応をする私を見て、八王子さんは楽しそうに目を細める。
「冗談だよ。元々注文してたものだ。ほら…乗りな」
そう言って、ドアを開けてくれた。
「くつろいでくれて構わないからな」
八王子さんはハンドルを握る横、助手席にちょこんと座る。
お洒落な芳香剤が置かれている以外、物がほとんどない車内。黒で統一されたデザインは、八王子さんのセンスの良さが現れてる。
運転中の音もすごく静かで、窓の外を穏やかな景色が流れている。
八王子さんはくつろいでいいって言ってくれたけど…緊張する。
ひざにきちんと手を揃え、縮こまっている。
横目でチラリと見える八王子さんは、真っ直ぐ前を見つめていて、横顔も驚くほど整っている。
仕事のときと同じくらい真剣な表情。
かっこいいな…。
あまりガン見しちゃいけないと思いつつ、それでも目を離せずにいると、ふいに八王子さんがこちらを見た。

