アフター7の婚約者サマ!?


冗談で言ったつもりだったんだろう…


「…っ」


佐田君からいつも笑顔が消え、顔を逸らされてしまった。


無言のまま前に立っているだけで。


「あ、あの。ごめん…佐田君」


弱々しい声で謝ると、佐田君はゆっくりと振り返り私を見下ろした。


「謝らなくていいからこっち見てくれない?」

「……」


交わった視線…。

彼の瞳は、氷りついたような冷酷さを持っていた。


「教えてよ。明日のデートの相手って俺の知ってる人?」


「……っ」


低い声で問いかけられ、一気に鼓動が速くなる。


「…会社の人?」


「…え…と」


いつもの佐田君じゃない…。

話し方も、見つめる瞳も、言ってることも、何もかもが怖く感じる…。


手足がガタガタと震えるなか、必死に思考を巡らせ答えを探す。


”ちがうよ”

と一言言えば済む話なのに、佐田君の鋭い瞳がその隙を与えてくれない。


その場しのぎの嘘じゃ許してもらえそうにない。