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午後9時。
駅ビルから続いている地下鉄のホーム。
電車が来るまで、まだ10分ほどある。
「はー!やっぱり駅ビルのイタリアンは絶品だったな!」
佐田君が満足そうに伸びをする。
「すごく美味しかった。今日はありがとう。
全部出してもらってごめんね?」
「気にすんな!俺が誘ったんだし」
佐田君はニカッと白い歯を見せると
「姫川のおかげで、カッコいいネクタイも買えたし大満足よ?」
メンズブランドの紙袋をかかげ、満足そうに言った。
「ふふ。明日は素敵な式になるといいね」
「おう!」
佐田君に笑いかけたあと、持っていたショップの袋に視線を落とす。
私もいよいよ明日、八王子さんとのデート…
「姫川は大人っぽい服買っちゃって、明日は年上の男とデートか?」
「…えっ」
思わず声が裏返り、かぁあ//と顔が熱くなった。
さ、佐田君…。なんで…
「姫川…その顔…」

