「もうっ! あたしなんか暑くって暑くって、汗ダラダラなのに!」 爽やかな風を吹かせて、生徒会室に入って来た怜央の顔には汗ひとつ浮かんでいない。 「いや、ちょっとファンに囲まれちゃってね……。遅くなってごめん」 「自慢か!」 倫子の機嫌はすぐになおりそうもなく、はぁっと息をついて怜央は腰かけた。