お金を前にしてずっとうなっていた丸井先生の肩をたたく人がいた。 「荒井先生!」 荒井先生は倫子達二年の学年主任だ。 丸井先生から見れば、上司のようなもの。 その荒井先生が 「まぁ、本物だったならいいんじゃない。お金をどうするか困っていたところだし。募金しちゃおうよ」 と言うのだから、丸井先生はもう何も言えない。 「はい」 固い声でうなずいて、倫子と怜央に指示を出した。 「募金用紙、書いておいてね」