強引な彼との社内恋愛事情



「遠山さんがそんな大胆なことするように見えねーな」


ハハハと笑い声がした。

あの日の夜のことだと思った。
私が広重の家に泊まって、誘ってしまった日。


大胆な女。


また、そんな目で見られるのかな。


「じゃあ、行くか」と言って立ち上がる彼らを見た。

広重と目が合って、他の二人は戸惑ってるみたいだった。

そりゃそうだ。

本人に聞かれてるんだし。

広重は「千花さん」とも「遠山さん」とも言わなかった。

ただ目を逸らして、出て行った。

私は運ばれてきた日替わりの定食を食べた。

今日はなす味噌炒め。


しょっぱい。


そっか。

これが私が望んだ世界なんだって、気が付いた。