強引な彼との社内恋愛事情



廊下を歩いていると、お昼のチャイムが鳴る。

ゾロゾロとフロアから人が出ていくのを見ていた。
その中に広重の姿だってある。
男、三人でご飯を食べに行くみたいだ。

この前のこと、彼女から聞いていないよね。
言われてたら、なんか恥ずかしいし。

でも気を遣ったんだって察するよな。普通。

鞄から財布を取り出して、ひとりで梶間食堂に向かった。

「日替わりお願いします」と言って、緑茶をすすった。

しきり越しに声が聞こえて、固まってしまったのは

「遠山さん?」と私の名前が聞こえたからだ。

「そんなに驚くなよ」って言ったのは、広重の声だった。

なんの話をしているのかと気が気じゃなくなる。