「ねぇ、少しでいいの。お茶しましょうよ」


スルリと慣れた手つきで腕を組んでくる女の人の腕を解く。


「正直言ってウザイ。彼女きたんで。さようなら」


固まってる女の人を見てため息が出る。


あれで少しは懲りただろ。


男が誰しも、自分の思い通りになるってわけじゃねぇ。


まぁ、中には同じ目的のやつもいるだろうけど。


「星川!」


「神風くん!人多いし、なかなか見つからないから場所間違ったと思ったよっ」


ちっ。


ナンパのせいで、星川に不安そうな顔させたじゃねぇか!


もっと早く抜け出すんだった。


今さら後悔してもおせぇけど。


後悔した分、楽しんでやる!


「ごめんな、いろいろあって遅くなったんだ」


「ううん、大丈夫!私も少し遅れちゃったから!お互い様だよ!」


「ん。サンキューな」


星川のこういうところがすごいと思う。


人のフォローをちゃんとする。


しかもそれは素でやってるからまたすごいんだよな。