「彼女待ってるんで」


「え〜?どう見ても1人よ?」


いやいや、どっからどう見ても人を待ってるだろ!


鈍いのか、それともわざとなのか。


どちらにしろ俺からしたらウザイ。


「ナンパとか本当にいいんで」


「あら、ナンパってわかってるのに断るの?ノリ悪いと嫌われるわよ?」


いや、ナンパにノリとかあんのかよ。


つぅか、ナンパにノッた時点で嫌われるんじゃね?


しつこすぎるし、香水臭いし。


げっ、もう1時じゃねぇか!


ってことは、星川いるんじゃ…。


キョロキョロと周りを見渡すと、時計塔の前に立つ星川を見つけた。


白色のニットのフリルが付いた服に、黒色の二重になっているスカート。


いつも付けているメガネは今日はない。


つまり、素顔なわけで。


あんな可愛いとか反則だろっ。


薄らとされているメイクが、星川の可愛さを際立てている。


あんなんじゃナンパしてくださいった言ってるもんだろ!!