「星川〜?」


何回呼んでも動かない。


はぁ…ここにいたら注目浴びるだけだし。


もうこれしかないよな。


星川の顔の前に手を持っていき、思いっきり手を叩いた。


突然の大きな音に驚いたのか、星川の肩が大きく揺れた。


お、気づいたか?


「あれ、神風くん!?」


「はぁ…やっと気づいた」


「え?っていうか、総太は?」


〝総太〟


あいつの事は呼び捨てなのに…。


「あいつ…変わったな」


「でしょ?!何か脱皮したみたいだよね!」


「脱皮ってお前な…」


虫じゃねぇんだから脱皮はどうかと思うぞ?


あいつが聞いたらショックを受けるか泣くな。


「昔…付き合っていた頃の総太に戻ったみたい。再会したあの日、別人かと思うくらいに変わって驚いたな〜」


嬉しそうに笑う星川。


その笑顔は俺でもあんまり見ることの出来ないもの。


「やっぱりあいつの方がいいのか?」


強く握りしめた拳からは血が流れ出した。


だけど今はそんなことどうでもいい。