真面目総長のお気に入り〜元姫の秘密〜

「お兄ちゃん、いつ目を覚ましたの…?」


その顔は不安と嬉しいが混ざっているように思えた。


そこで俺はあることを思い出した。


この場所は透さんが刺された場所だ。


星川はきっと透さんがまたいなくなるのが怖いんだ。


「さっき。そんで亜衣から咲夢達のことを聞いてな。すぐに駆けつけたんだ」


「駆けつけたって…起きてすぐに動いて大丈夫なの?」


そうだ。


刺されたってことは、後遺症が残る場合がある。


透さんは大丈夫なのか?


「大丈夫。ただ、昔みたいにはもうケンカは出来ないけどね」


もうケンカは出来ない。


それが透さんに与えられた後遺症。


族から引退してたからといって、それはあまりにもひどすぎる。


遼はずっと透さんとの手合わせを待っていたというのに。


「この話はまた後で話そう。今はこっちが優先だ」


透さんの目つきが変わった。


懐かしい。


族にいた頃の透さんはまだ健在だ。