「暎、幹部室はどっちだ?」


「そこを右に曲がって真っ直ぐ行ったところです」


「サンキュー」


右からの真っ直ぐか。


右に曲がると見えてくるデカデカと書かれた幹部室という文字。


…わかりやすいな。


いや、助かるけどさ。


「あれみたいだね〜」


「…どうやって入りますか?」


「そりゃあ、やっぱりあれだろ。蹴破る」


「…それは遼さんだけですよ」


暎の冷たい目って何気に怖いよな。


暎は思ってることが顔に出るからわかりやすい。


まぁ、そこがいいところでもあるんだろうけど。


「いや、その方法もありだぜ」


「え、蹴破ったらすぐにバレるんだよ〜?」


確かにバレるだろうが、結局はバレるんだから同じだ。


それに、蹴破る音で下っ端達への合図の音が誤魔化せる。