ガチャ。


扉の鍵が開く音がした。


さすがというべきか、なんと言うか。


こういう時は本当尊敬するぜ。


「よっしゃ!開いたぜ!」


「こういう時の遼さんは尊敬出来ます」


「本当にね〜。いつもはダメダメなのにね〜」


「うるっせい!いつもじゃねぇし?ためにだし?!」


いや、ためにでもダメダメだからな。


「お前がうるさい。気づかれたダメなんだぞ。静かにしろ」


「ちっ」


舌打ちって子どもかよ。


…いや、図体だけがでかい子どもだな。


本当に18か疑うぜ。


「今から中に入る。なるべく気配は消せよ。それと、大声出すなよ。遼」


「なんで俺だけ?」


「お前が一番叫ぶからだ」


まさかの無自覚かよ。


それならこれからは意識して小さくしてもらわねぇと。


見つかったら元も子もないからな。


「…なるべく気を付ける」


「おう、頑張れよ」


頷く遼を見て、口の端が上がる。


こういう時は素直なんだよな〜。


そんなことを思いながら、ゆっくりと気配を消しながら中へと入る。