港町の端っこにある小さな倉庫達。


その中でも他よりも少し大きい倉庫がある。


そこがあいつら、darkのアジトだ。


きっと星川もここにいる。


「幹部は裏から潜り込む。お前らはいつもの合図が聞こえたら入ってこい」


「「はい」」


ん、いい返事だ。


実虹と暎、遼を見る。


3人が頷くのを見てから俺を先頭に裏口へと向かう。


「なぁ、本当にここから入れるのか?」


「はい。裏口は基本誰も使っていないようで、警備も薄ければ誰も通ることがないそうです」


裏口ってあんまり使わねぇからな。


あってもそこから侵入されるだけ。


それに気づいてるのか気づいてないのか。


「遼、頼むぞ」


「おう、任せとけ!」


誰も使わねぇからと言っても、鍵が開いてるわけじゃねぇ。


そこで遼の出番ってわけだ。


遼は懐から黒色のピンを取り出し、鍵穴へと差し込む。


ケンカ好きでアホな遼だが、実はピッキングが得意なんだ。


こいつの手に掛かれば1分もかからずに開けられる。