しばらく間があった。


はぁ…はぁ…


ようやくあきらめたか…



スピードを下げたその時、

悲痛な叫びが聞こえた。


「茜、ごめんっっ!ごめんなさい!もうしないからあっ!」




まだ走ってる…!!



でも声が枯れかかっている。



かわいそうになってきた。

「優斗!もういいから!気にしないで!」

「か…カレシの所に行くのーっ!?」


カレシ!?

なんだそりゃ!



まだ走ってるし!



今日は、自転車で地元まで帰ろうかと思ってたんだけど。

さすがにこのスピードで、走り続けられない。

カツオは、ナン百キロも回遊するんだっけ?


止めよう…


ムダな抵抗はよそう…


自転車を停めた。