大島がため息をついた。

「だから、あのような…」


「…なんで私だけ生きてたのかと思って。

亡くなった子のお母さんに『娘の分まで生きて』って言われて、


言えないでしょ。

『再発が怖い。治療が怖い。

本当は生きてたくなんかなかったんです。

ただお母さんが可哀想で頑張ってただけなんです』


命を上げられるものなら上げたい。

でもできない。

私に、どうしろって言うの?

治療なんか止めて家に帰りたかった。

自分の部屋で一人で死にたかった。


そんなの叶わない。

口にしたら、みんな苦しむよ…」




大島が手ぬぐいを貸してくれた。



女子の好きそうな和柄だ…

カノジョのプレゼントかもしれない。

申し訳ない。