「私があの薬を使わせたんだよ」


息が吸えなくなった。


「目が覚めたら…12人も子供が…」

「断じて違う!」

大島が大声を出した。


「違わないだよ!私が使わせたんだよ!」


「茜殿はご存知ない!

そういう人間は『データ』がすべてなのです!

セッシャも、高校受験でどれだけ『データ』に振り回されたことか」

「違う…だって…!」

「茜殿!今後は新聞を読みなされ!

あの薬を幼児に使ってはいけないことは、あの時点で分かってござった。

あの医師は、そのデータを見て『何歳からなら使えるのか』というデータが欲しかったのです」

「だけど…!」


「今一つござる!

あの医師が指示したのは『投与だけ』でござった。

それが病院のずさんな管理体制のせいで、データが共有されず、投与され続けた…

茜殿、よくぞそれを生き抜いて…」