「夢だと思ってくれてもいいんだけど…

意識不明になった時、私…地獄に落ちたの」


大島が怪訝な顔をする。

「地獄?茜殿がなぜ?」

「人殺しだから」


湯気を見つめた。


「最初は死ぬのが怖かった。

死んで、焼かれて、たった一人でお墓に入るのかと思ったら…怖くて…


だけど、治療はもっと怖かった。


手術を受ける時、医者に言ったの。

『強い麻酔をかけて』って。


死にたかった…」