バイトが終わった後、スマホを手にしたまま思い出していた。


あのダンボールの群れ…



まだ、あの部屋にいるかもしれない。

まだ、間に合うかもしれない。



…違う。



きっと、もういない。



こんな時、なんて言う?


やっぱり、言わせてほしい。




ゲームセット。



「ありがとうございました」



それは未読のまま、読まれることはなかった。