お兄ちゃんが、ゆっくりと体を起こした。


「まぁ…失恋だよね」

「そうなんだ」

「高2の時に、一つ年下の女の子と付き合ってたんだけど、

うーん…2ヶ月くらい付き合って…クリスマスで…

いざ…その…」


私は言葉を引き取った。

「しようとした?」


お兄ちゃんが苦笑いした。

「…しようとしたら

『お願い!止めて!ワタシ、優斗が好きなの!』って」


ヒャッ!と変な声が喉から漏れた。


「な…なんだと!?」

「びっくりしたよねー」

「びっくりどころじゃないよ!」


なんてオンナだ!

アホか!