「乗ってないじゃん…」

「ったりめーだ!バカッ!」




船は予約が入っていて、乗れなかった。



岩がゴツゴツ突き出てる。

こんな足場の悪いとこで、やったことないし…


「リョウさん、ライフジャケットは?」

「ここは大丈夫。泳げる」

「カナヅチなんですけど…」


リョウさんが舌打ちした。

「バカッ。なんでそれを先に言わねーんだよ」



口が悪いとは思ってたけど…



「もうヤダ…離れて釣りたい。ストレス溜まる」

「オマエが素直に言うこと聞かねーからだろ」




リョウさんに当たりがキタ。


手慣れた様子で、リールを巻く。


「カサゴか…」


ポイッ


「もったいない」

「煮魚なんて、食いあきた」