閉店して、店を片づける。

洗い場が満杯だから、グラスや皿を一テーブルに寄せておく。


ジャムさんが、レモングラスを選別している。

ネギの根っこみたいな茎で、これを調理すると店中にレモンの香りが広がる。


「アカネ、夏休みナノニドコモ行カナイ?」


昨日、シフト希望はないと言ったからバレバレだ。


「行きませんね」

「ナンデー?モッタイナイ」

「めんどくさくて」

「ウッソデショー?メンドクさい?」