「それは…ちょっと、優斗がオカシいわ」


私は顔を上げた。


「卒業したら結婚てね、そんなに結婚って甘いもんじゃないよ」


母さんはさらに言う。


「相手の親と同居って…うち見てみなさいよ。

別居だってこんな色々あるのに。

オトコなら、小さくたっていいから住む場所くらい用意するもんよ」


涙が止まった。


「パートでいいってね…

今時、オンナが働かないなんて、そんな時代じゃないんだよ。

あんな商売してるんだもん、優斗だって奥さん働いてた方がいいでしょうよ」


涙が引っ込んだ。


「子供が出来たら海外移住?

そんなの子供ができなきゃ分からないでしょ。

障害があったら、どうするの?

体悪くしたら、親もいない海外でどうするの?」