夜、優斗を外に呼び出した。


鼓動が早い。

涼しいのに、汗が出る。

切り出すのは苦しい。



でもそのために、今日は来たんだから。

大丈夫。

ちょっと待ってほしいと言うだけだ。




「あのね、結婚のことなんだけど」


優斗は不思議そうな、罪のない顔をしている。


「なに?」

「結婚のことなんだけど、卒業してすぐっていうのは…ちょっと待ってほしい」

「は?なんで?」

「私もまだ進路決めてないし、落ち着いたら考え…」

「落ち着くっていつ!?」

優斗が鋭い声を出した。