言葉が出なかった。


「友は…最初、別の高校を志望しておったのです。

けれど、父上の薦めであの高校に変更し申した。

何があったのか、言えなかったか…。

だとしたら、友はご両親に心配を掛けたくなくて黙っていたのでござろう。


そして、迷惑を掛けたくなかったから、死を選んだのではと。

きっと自分が死ねば、ご両親は悲しむだろうが、

それは一時の事で、いつかは元気になってくれると思ったに相違ござらん。


けれども…あの母上の放心した顔や

父上の悔いた顔を見たら…」