「ど、どうしたの?」

「茜殿!アナタはオカシイですぞ…!」

「は?」

「男だって男が怖いものなのです…それを…アナタは…!アナタは!」

いつも穏やかな大島が、だんだんと取り乱し始めた。

私は自転車を止めて、大島に近寄った。


「なに?どうしたの?」

「前に…友について話を…」

「あの第一希望に入っちゃった子?」

大島がうなずいた。


「し、死にました」



息が止まった。

「なんで…?」

「分かりません…

ご両親は何も言わないのです…

だから、だから…

おそらく自分で命を絶ったのでは…と」