「大島かぁ…!」


大島は、ゆっくり起き上がった。

礼儀正しい奴なのに、何も答えない。

雨足が強くなってきた。


「バイバイ」

行こうとすると大島が言った。

「茜殿…!!」


自転車を止めて振り返った。

見たことがないほど、暗い顔をしていた。