駐輪場脇の笹竹を雨がぬらし始めた。

じきに短冊もべしょべょになるだろう。


性病疑惑のオンナが、短冊を仰いでいた。

「おーい、ぶっちゃけ!」

「止めて。その話は止めて」

「治ったの?」

オンナが明るい顔で言った。

「それが違ったの~!性病じゃなかったの~!」



オンナが短冊を手で引き下げた。



―もうガンジダになりませんように―



「アンタ、なんつーことを彦星たちに頼んでんだ」

「マジつらいから!気をつけて!マジ、再発すっから!」