タケルが帰ってきた。

包み紙を散らかして、チョコを手に宙をにらみつけてる私に、ギョッとした顔をする。


「おかえり。

『母さん集金があるから、たっくんに、おでん温めて食べさせてあげて』

って言われたんだけど、それくらい自分で出来ますよね?」

「またカレシとケンカしたの?」

「私じゃありません。キヨちゃんです」

「キヨ?」


私は、タケル用のチョコを渡した。


「姉ちゃんが食ってるのはナニ?」

「これはキヨコの本命チョコです」

「ええ!?なに!?なんでそれを姉ちゃんが食ってんの!?」

「愛です」