「待って待って」


キヨちゃんが顔を上げた。


「どうした?渡せなかった?」

「これ…ねぇ…」


キヨちゃんの目から、大粒の涙が流れた。


うわあ!どうしよう!

とりあえず、キヨちゃんの頭を撫でた。


向こうから、子供たちがやってきた。

塾バッグを下げている。


今日、金曜日か!

私の部屋…は、空き巣が入ったような状態。


茜さん!!

部屋はキレイにしておきましょうね!?


「さ、寒いけど、公園行く?」

キヨちゃんがうなずいた。