「ありがとう」 「ありがとうじゃない!」 「…ありがとう」 顔を上げると、ノンも泣いていた。 メイクも崩さず、 顔も赤くせず、 唇を美しく震わせ、 ノンは涙を流していた。 バラは… なにをやってもバラ。 「別れる」 とノンが言った。 「っ当たり前だよ!」 ノンがうなずいた。 「別れる。どうしていいか、分からなかったの」