ほぼ、生まれて初めて料理をした。

「どうも味が締まんないなー。やっぱりバジルがないとダメだわ」

と母さんが言った。


「それにアンタ、茹で上がってから具をのせるまでが長いのよ」

「だって熱いんだもん」

「ザッとやってザ!よ。ザッとやってザ!」


タケルが言った。

「なんかマズイ…」


確かに、風味がない。

ないけど、ムカつく!


「たっくん、ご飯もあるから。ね?生姜焼き作ってあげる」

と母さんが取りなす。


なんて息子に甘いんだ。

ろくな男に育たんぞ!