私は肺に目一杯の空気を取り込んだ

背後では電車の走り去る音が聞こえている


「帰ってきたなぁーーー!!」


伸びをする私の頭上には
久しい故郷の空が広がっている


腕に付けた時計を確認すれば
13時まで後10分程だ

13時に母さんがこの駅に
迎えに来てくれることになっている

久しぶりにしたお洒落に
少しそわそわしながら私はベンチに座った

私の頭上をのんびりと真っ白な雲が
流れている

この街は、時の流れがとても穏やかに感じる