私は席を立つ


「闇月?」

「俺、帰るわ」


戸惑った顔で私を見る弦に言った


「えっ…」


視線を弦から雪也のお父さんに移す


「…、俺は、誰かに頼まれて雪也と仲良くしてる訳じゃないし、これからだってそうですよ。
俺は俺の意思で動いてる、それだけですから」


私はポケットから小銭を出すと机に置いた


「お時間頂いてありがとうございました。失礼します」


最後はニッコリ笑っておいた

弦を見れば呆れたように苦笑していた