「他人の家庭に口出しするのは野暮ってもんかもしれませんが、…見ててもどかしいんですよ」 私の横で弦が開きかけた口を閉じる それから黙って私の言葉を待っている 「あなたは、ちゃんと雪也の声を聞いたことがありますか?」 「え?」 「実際に雪也があなたを嫌いと言ったんですか?」 「それは…」 目を逸らして口の中でごにょごにょと言った 「分かるよ、言わなくても」 「何故ですか?」 まずい… これ以上熱くなっちゃ駄目だ 私は一度深呼吸をする