秘密の異端者 【番外編】~The repayment of favor~


カフェに流れる穏やかな音楽が
やるせなさに力の入った私の肩を
少しだけ緩めた


「私はろくに父親らしい事をしてやれてないし、息子にも嫌われているようだからね、これからも仲良くしてやってくれると嬉しいな」


屈託無く笑う雪也のお父さんに
私は視線を逸らした


「ったく、親子揃って面倒臭いな」


小さく放った言葉は2人には届かなかったらしい

2人が私を見ているのが分かる

私は雪也のお父さんの目を見た


「お断りします」

「え…?」

「ちょ、闇月!?何言って…!」


びっくりした顔で固まる雪也のお父さんに
短く息を吐く