秘密の異端者 【番外編】~The repayment of favor~


「だって!1人だとどんなに疲れてても自分で家事こなさなきゃいけないし、虫が出ても誰も退治してくれないし…」


そこまで言って、一瞬の間の後
皆が一斉に吹き出した


「虫っ…。くくくっ…」

「虫って…。くくっ!」

「ちょ、笑うなよ!」


そう言いつつ私も笑った


「その姿で女子みたいな事言うなよ〜っ」


爆笑する将騎にムッとする


「こ、ん、な、ん、で、も!女子ですけど?」

「ご、ごめん…」


一睨みしてやれば焦った様に謝ってきた

まったく…

笑いが一通り収まった時私は静かに言った


「それに…、誰もいない家に帰った時は寒くて暗いよ」


雪也を見れば“分からない”って
表情をしている

“家はいつも冷たい”とでも言いたげな様子だ

でも、それ以上は私は何も言わなかった

本人が気付かなきゃ意味が無いから