秘密の異端者 【番外編】~The repayment of favor~


「皆は、何をするんだ?」


裕達がワイワイと毎年の様子を話し出す

それを雪也は楽しそうに聞いている


いや、
“楽しそうに聞いているように見える”


「そんな事ねぇと思うけどな…」


隣からボソッと小さな声が聞こえたのを
私は聞き逃さなかった

呟いたのは弦だ

独り言のつもりだったのだろう

実際、私以外に聞こえた人は
いなかったようだ

チラリと弦の顔を盗み見れば
僅かに悔しそうな表情をしていた