秘密の異端者 【番外編】~The repayment of favor~


父の日….

もう、そんな時期なんだ

壁に掛かったカレンダーに目を向ければ
父の日まで後2週間程だ


「俺は親父に釣りに付き合って欲しいって言われたから、一緒に釣りにでも行ってくるよ」


風磨はサラリと答えた


「いーねぇ、男の子は。そう言うの、なんか羨ましいかも」


言葉とは裏腹に桐生はあっさりと笑う


「そっかぁ、釣りかー…。夜は?」

「ん?あぁ、俺は地元に1回帰るかなぁ〜?」


結局、母の日は帰れなかったしね


「地元?」

「うん。俺は今は一人暮らしだからね。暫く、向こうにも帰ってなかったし…」