秘密の異端者 【番外編】~The repayment of favor~


まだ曲は止まることをしない

『canon-涙のカノン-』

鮎らしい選曲に笑みが零れる

父さんも私の隣で穏やかな表情で
ピアノの音色を耳を傾けている

昔もよく、リビングにある
アップライトピアノで演奏する鮎の曲を
こうして父さんと2人で聴いた


次に流れた曲に私と父さんは
顔を見合わせた

一瞬間があって、2人で笑う


「「エリーゼのために」」


曲名を口にしたのは同時だった

クスクスと笑いながら
最後の1音まで聴き漏らさないように
耳を傾ける