秘密の異端者 【番外編】~The repayment of favor~


「母さん。私はやっと自分で前を向いて歩ける様になったよ。
大切な友人達のお陰です。
だからもう、母さんも頑張りすぎないで。
苦しくなったら、今度は私が力になりたい。
家族だから…」


私の口から嗚咽が漏れた

泣きたくないのに、涙が溢れて止まらない

鮎の言葉に、自分が今まで気を張って
生きてきた事に気付いた

尚も少しの雑音の混じった音声が
止まることはない


「本当は顔見せに帰りたかったけど、都合がつかなくてこんな形になりました。
けど、また近いうちにそっちに顔出すから、その時は何か母さんの手料理が食べたいな」


「うんっ、うんっ」

思わず録音の声に返事する

鮎が家を出て行ってから
私は凄く涙脆くなってしまったようだ


私の嗚咽が聞こえたのか
隣の部屋にいた父さんがリビングに
顔を覗かせる

そして、泣いている私を見て
驚いた様に駆け寄ってきた