秘密の異端者 【番外編】~The repayment of favor~


大きく息を吸って短く吐く

再び録音を開始させた


鍵盤の前で指を屈伸運動させ
静かにソレに触れた

ゆっくりと紡がれるメロディー

鍵盤の上で私の指が踊る


周りの音なんて聞こえない

聞こえるのは鍵盤の沈む音と私の呼吸
そして、練習で仕上がった音楽だけ


一気に4曲弾き上げた

ミスはない

一瞬の静寂の後、拍手と鼻をすする
音が聞こえる

ハッとして見ると何故か将騎が泣いている


本当、感情豊かなんだから…