秘密の異端者 【番外編】~The repayment of favor~


予め、考えていた訳じゃない

ただ、1度声を出し始めたら
スラスラと止まらなかった

1度録音を切る

私の心の底からの本心

ずっと言いたくて
ずっと言えなかった…

本当は母の日とか関係ない

ただ、きっかけが欲しかったんだと
今更ながら気付く


ちょうど音楽室の扉が開いた

初めに将騎が顔を覗かせて
他の皆もぞろぞろと入ってくる


さぁ、始めようか

母さんの為の録音会を_______


私は彼らに微笑むと
静かにピアノに向かった