秘密の異端者 【番外編】~The repayment of favor~


「それにしても…、ここのピアノ、やけに調律が正確なんだよ。ピアノの位置も凄い良く考えられてるし…。何か知らない?」


普通の学校のピアノじゃ
ここまでちゃんとしてるなんて考えられない

この教室の環境も湿度温度共に
ピアノに優しくて、埃もあまり無い

それに、調律だけじゃない

よく弾き込まれてて
ずっと味わい深い音に感じた


「あぁ、それは、なんか、この学校のある女の先生が大事にしてるらしい」

「あぁ、それ、俺も聞いたことある。たまに弾いてるって噂もあるよね」


弦の言葉に聡も声を上げた

へぇ…

この学校に、そんな先生がいたんだ