秘密の異端者 【番外編】~The repayment of favor~


何度目のチャイムを聴いたんだろう?

私はずっと音楽室に篭っていた

授業なんてすっかり忘れて
音楽室に篭ってピアノを弾き続けた

だいぶ指も動くようになってきて
タッチの感覚も取り戻してきた


「これなら、間に合うかな…」


自分の指を眺める

弾いているときは何も感じなかったのに
本当は少し疲れていたみたいだ


立ち上がって鞄から携帯を取り出す

演奏の邪魔をされたくなくて
切っていた電源を入れた

その途端鳴り出す通知の数々


すべて、弦達からだった

やば…

1本連絡入れるの忘れてた