帰って来いと怒られる事はなく
信用されているんだと実感する

たまに、母さんは保存の効く食べ物を
送ってくれたりして
苦くて温かい昔を思い出す


「夜〜、夜も倉庫行く?」

「おー、行く」


炎月の皆は、私が女だと知っても
氷月だと知っても、私の事を
それまで通り“闇月 夜”として
接してくる

私も彼らの前では作り物じゃなく
闇月としての自分が自然体となっていた


「他の皆は?」

「ああ、先に行ってるよ。俺は夜を待ってたから」

「悪いな」


待っていたのは裕だけらしい