「思い出のなにか?」


首をかしげれば、弦が頷く


「…て、何?」


窺うように弦の顔を見れば
少しあたふたし出した

どうやら、具体的な案は無いらしい



でも、

“思い出のなにか”


私の中に1番響いた


母の日だから何かしなきゃ

そんな義務感とかじゃなくて
純粋に何かしたいという気持ちが
私の中に膨らむ

沢山苦しんで、苦しませた私だから
ありきたりなことじゃ無く
私にしか出来ない贈り物を
母さんにしたい

そんな衝動が私に強く沸き起こった