「あ、あのさ、その…、いつも、ありがとう。

…それだけ!行ってらっしゃい」



照れた顔を隠すようにそっぽをむけば
小さな笑い声が聞こえてきた

俺が口を窄めると
行ってきますという声を残して
親父の足音は遠ざかっていった

その音を聞いて長く深く息を吐いた


さて…

散々、夜には心配かけたからな
連絡の一本でも入れとくか


俺は2人分のグラスを洗うと
携帯電話に手を伸ばした___________





~第2部 今日は父の日 end~