親父は時計を見るなり立ち上がった

つられて俺も立ち上がる


「帰りは?」

「遅くならないように帰るよ」

「じゃあ、晩飯用意しとく」


俺は少しだけ笑ってみた

鞄を持つと親父はありがとうと言ってくれる


「じゃあ、行ってくる」

「ん。…あ、親父」


部屋を出て行こうとしていた親父の背中を
俺は咄嗟に呼び止めた

不思議そうに振り返られて
若干口ごもる