秘密の異端者 【番外編】~The repayment of favor~


いきなり“一緒に食わないか”って
一体どういう風の吹き回しだ?

チラリと親父の姿を盗み見る

親父は冷蔵庫から出した冷たいお茶を
2つのグラスに注いでいた

それを俺と自分の席に置くと
食べようかと俺を見る

僅かに頷くと席に座ってどれだけぶりかに
2人で手を合わせた

米を口に運べばまだそれは温かい

お互い黙ったまま時だけが流れていく


何だよ、話があるわけじゃないのか?

それとも、単なる気まぐれか?


ふと、少なからず落胆している
自分がいることに気付いて俺自身戸惑った

そして、そんな自分自身に
訳も分からず不機嫌になる